法大の上中咲葵（うえなか・さき）マネジャー（4年＝西武学園文理）が、今春のリーグ戦で初めて場内アナウンスを担当した。「緊張しましたが、やりきることができました」と振り返った。

上中マネジャーは元西武外野手の上中吉成氏（54＝現・西武若獅子寮副寮長）を父に持つ。ZOZOマリンで33年間場内放送を務めた元ロッテ球団職員・谷保恵美さん（57）そっくりの声質で、一部のプロ野球ファンたちからひそかな注目を集めている。

法大－慶大が3回戦まで持ち越したことでこの日、今季初のアナウンス担当が回ってきた。「あらためて、この場で場内アナウンスができることにものすごくありがたみを感じました。伝統ある東京6大学のマネジャーになれたからこそ、こうやってできたことだと思うので」と感謝を口にする。

指定校推薦で法大に入学した。「明治神宮大会のアナウンスも去年させていただいて、全国のいろいろなリーグを見る中、こうやって母校を応援しに来て、応援席で一緒になって声を出して応援してくれるところが6大学野球の魅力だと思っています」と話す。卒業してOGになっても「自分もぜひ応援に来たいです」と笑顔を浮かべる。

自校はサヨナラ負けしたものの「アマチュア野球は公平性が大切ですし、6大学は同じ仲間なので」ともちろん、アナウンスの声に感情は乗せない。試合進行を見ながら、選手交代や場内への注意喚起など、伝えるべきことを正確に淡々と伝えていく。

もちろん心の中にはいろいろな思いがある。この日は父の西武時代の先輩、清原和博氏（56）の長男、慶大の清原正吾内野手（4年＝慶応）の名前もアナウンスした。「しゃべったこともないですけど、こうやって父とつながりがあって、6大学で頑張っている選手が試合に出ていると…不思議な縁だなと思います」と話していた。【金子真仁】