<高校野球広島大会:総合技術4-0広島工>◇22日◇準決勝

 リベンジの舞台は整った!

 総合技術は第2シードの広島工に4-0の勝利。エース左腕の内大和投手(3年)が投げては3安打完封、打っては開幕崇徳戦に次ぐ本塁打と大車輪の働きを見せた。決勝の相手は昨夏3-4惜敗を喫した広陵。23日、1年間の集大成をすべてぶつける。

 リベンジの舞台を呼び込む129球だ。4-0の9回2死。最後の打者をこん身のストレートで空振り三振に仕留めると、マウンド上の内は両腕で力強くガッツポーズした。毎回の13奪三振で9回を3安打完封。2回には自身2号目を右翼席中段に運んだ。文句なしの活躍でチームを決勝に導いた。

 エースの面目躍如だ。4回戦、準々決勝では先発も早々と降板。大会屈指の左腕は開幕崇徳戦以降、本来の投球から遠ざかっていた。「今日は気持ちが乗っていた」と内。既に決勝進出を果たした広陵の相手は、誰にも譲れなかった。

 女房役の東誠士郎捕手(3年)もエースの能力を引き出した。4-0で迎えた9回だ。この回先頭の沖野への配球は、内に一任した。「ホームランを打たれても良かった」と東。結果はストレートで中飛に。今大会3発、通算48本の沖野に真っ向から勝負した。

 あれから1年。ミラクル旋風とともに進んだ決勝では広陵に延長11回の死闘の末、3-4で敗れた。左ひじ故障だった内はマウンドに立つことなく終わった。「やっと倒せる。1年間広陵だけしか見ていなかった」(内)。最後の夏。自らつかんだリベンジの舞台は、甲子園出場で幕を閉じる。【佐藤貴洋】