<高校野球静岡大会:常葉学園菊川5-3浜松商>◇23日◇準決勝

 4季連続甲子園を狙う常葉学園菊川は、5-3で浜松商に快勝。エース戸狩聡希(3年)が走攻守に活躍。2日連続完投した上に、3本の適時打を放ち、連続盗塁まで決めた。

 陽炎(かげろう)が立つマウンドで、常葉菊川のエース戸狩は底知れぬ体力を披露した。最速141キロをマークした直球は、気温30度の9回にも140キロを記録。最後の打者を得意のスライダーで二塁飛球に打ち取ると、小さくガッツポーズを見せた。「直球が走り投球もよかった。やっぱり夏はいい。投げてて気持ちいいです」。無四球で137球9安打9奪三振。3失点で2試合連続完投した。

 プロ5球団のスカウトの前で、抜群の身体能力を余すところなく披露した。本職の投球だけでなく、打撃でも走塁でも光った。2回裏1死三塁、先制の中前適時打を放つ。さらにノーサインで二盗、三盗を決めると、捕手からの三塁送球が逸れる間に2点目のホームを踏んだ。4回に中押しの右翼線適時打、7回にはダメ押し左前適時三塁打。「打って走ると投球はのる。スタミナは大丈夫です」と笑い飛ばした。

 グラウンドの内外で、町田友潤二塁手(3年)が戸狩を支援した。22日夜。町田は、準々決勝で107球で完投した戸狩の疲労を心配し、活性酸素を含む「水素水」を飲ませた。疲労回復のため、7月初めから愛飲する一品だった。1点を返された9回1死三塁では、二遊間への打球をダイビング捕球。試合でもエースを救った。

 戸狩は決勝でも先発が予想される。「四球を少なく、バックを信じていく」。仲間とともに、静高打線に立ち向かう。【斎藤直樹】