全国高校野球選手権(甲子園)に出場中の常葉学園菊川(静岡)は、初戦突破から一夜明けた10日、チーム練習を完全オフにした。それでも、ほとんどの2年生部員は自主トレーニング。茨木市の宿舎から吹田市の万博記念公園まで、往復約7キロのランニングを行った。

 初戦(対福知山成美=京都)で逆転となる好走塁を見せた松本拓也外野手(2年)は、反響の大きさに驚いた。「朝、新聞を読んだら(名前が)載っていて、びっくりしました。菊川にとっては普通の走塁をしただけなのに。気分はいいですけど」。約20通の祝福メールを受け取るなど、一夜にしてシンデレラボーイとなった。それでも浮かれず、2年生部員の「日課」というランニングをこなした。「僕たちの代で弱いと言われるのはいや。先輩たちと比較されると思うので」。すでに5季連続甲子園出場を見据えている。

 13日に、2年連続の8強入りを懸けた3回戦(対倉敷商=岡山)を迎える。「出たら、何らかの形でチームに貢献したい」。1試合でも多く先輩と公式戦をこなし「勝ち方」を学ぶ。それが、来季へつながる。【斎藤直樹】