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筒香09年夏弾!高校通算68号/神奈川大会

4回表横浜無死、不敵な笑みを浮かべ打席に立つ筒香(撮影・藤田啓輔)
4回表横浜無死、不敵な笑みを浮かべ打席に立つ筒香(撮影・藤田啓輔)

<高校野球神奈川大会>◇19日◇3回戦

 「ハマのゴジラ」がついに火を噴いた。高校野球神奈川大会3回戦が平塚球場で行われ、今秋のドラフト1位候補、横浜・筒香(つつごう)嘉智内野手(3年)が今夏第1号、高校通算68号本塁打を放った。横須賀総合戦の4回、右中間へ推定130メートルの特大先制ソロを打ち込んだ。西武平尾に並び、大台70号を視界にとらえる1本を国内4球団のスカウトの前で披露した。横須賀総合を6-0で破った横浜の次戦は21日の相模原総合戦(相模原球場)。レッドソックス松坂を擁した98年以来の日本一へ、新怪物が勢いに乗ってきた。

 大好物は見逃さない。先頭の4回第2打席、「ハマのゴジラ」が初球の真ん中低めへの直球を迷いなく振り抜いた。「打った瞬間に入ると思いました」と手応えは十分。いつも通り背筋を伸ばし、巨体を揺らしながらゆっくりと一周した。右中間の最深部の芝生に着弾する推定130メートル弾。待望の今夏1号は、通算68号の先制ソロだった。

 会場の平塚球場は「筒香狂騒曲」に沸いた。連休中日に重なり、内野約7500席は超満員にふくれた。立ち見客が続出し、駐車場は朝から満車。開放しなかった外野フェンス沿いには木陰からの「のぞき見」客が約100人集まった。新怪物の一挙手一投足に、熱い視線が注がれた。

 第1打席は高めの直球に力んで三邪飛に倒れたが、すぐに修正。本塁打後の第3打席は、ストレートの四球で歩かされた。「簡単には勝負してくれない。失投は一振りで決めたい」と理想通りの一撃だった。

 試合前はレ軍松坂や西武涌井が活躍した甲子園のビデオを見て気持ちを高めた。和歌山の実家からは毎朝午前5時過ぎの始発に乗って両親が駆け付ける。幼少時のイチローが父とバッティングセンターに通ったのは有名だが、広大な土地で農業を営む筒香一家は、それを作ってしまった。

 ビニールハウスの中にネットを張り、縦23メートル、横6メートルの打撃練習場を建設。マウンド-ホーム間(18・44メートル)がすっぽり入るサイズに打撃マシンを備えた。父和年さん(57)は「中学校に入ったぐらいから、毎日3~4時間打っていた」と懐かしむ。自家栽培の米にニンジン、ネギ、芋などの野菜で自給自足の生活。「1日米1升(10合)は食べていた」(和年さん)。豊潤な自然に囲まれてはぐくんだ「ナチュラルパワー」が巨体を支える源だ。

 大会2試合目で待望の1発が飛び出した。「ほっとした。これからも上からたたき付けるバッティングをしていきたい」と主将としてフォア・ザ・チームを強調する。試合後、ベンチから球場外への出口には約300人のファンが待ち受けた。サインを求めて筒香を追い掛け、長蛇の列ができた。

 横浜高は通常バス移動だが、この日は電車で球場入り。渡辺元智監督(64)が「毎年大会中に1回ある」という外出解禁日。試合後は球場で解散し、寮生の筒香にも外食が認められた。激戦神奈川大会はこれからが本番。つかの間のリフレッシュタイムを味わい、次の獲物をロックオンする。【前田祐輔】

 [2009年7月20日8時59分 紙面から]


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