メジャー1年目のドジャース前田健太投手が、4日(日本時間5日)のロッキーズ戦で今季10勝目を挙げました。この時点で、ナ・リーグの新人投手では、勝利数(10)、先発数(22試合)、イニング数(125回2/3)、奪三振数(125)の各部門でトップの成績を残しています。ところが、新人王争いの話題になると、前田の名前は2番手グループにランキングされています。というのも、今季のナ・リーグは野手の「当たり年」。特に、守備の要となる遊撃手にスター候補生が並んでいます。

 最有力候補に挙げられているのが、前田の同僚でもあるコーリー・シーガー(ドジャース)です。4日時点で打率3割6厘(リーグ新人2位)、19本塁打(2位)、51打点(3位)、128安打(1位)、71得点(1位)と、全部門で好成績を残しており、オールスターにも選出されました。

 このほか、リーグトップタイの27本塁打のトレバー・ストーリー(ロッキーズ)、打率3割1分2厘のアレドミス・ディアス(カージナルス)と、強打の遊撃手3人が、ハイレベルな成績で1番手グルーブを形成しているのです。

 さらに、救援投手では、100マイルの快速球を武器に11セーブを挙げているカルロス・エステベス(ロッキーズ)、中継ぎからクローザーとなり、すでに55試合に登板している呉昇桓(カージナルス=前阪神)も8セーブ、防御率2・10と抜群の成績を残しています。

 ちなみに、過去、日本人メジャーで1年目に2ケタ勝利を挙げたのは、以下の6人なのですが…。

 1996年 野茂英雄(ドジャース) 13勝

 2002年 石井一久(ドジャース) 14勝

 2007年 松坂大輔(レッドソックス) 15勝

 2010年 高橋尚成(メッツ) 10勝

 2012年 ダルビッシュ有(レンジャーズ) 16勝

 2014年 田中将大(ヤンキース) 13勝

 この中で新人王に選出されたのは野茂だけで、00年佐々木主浩、01年イチロー(ともに当時マリナーズ)と計3人がタイトルを手にしました。その一方で、時代の推移とともに、高額契約で移籍する選手が増えたこともあり、日本人選手は「新人」として見られなくなる傾向があることは否定できません。

 前田自身、新しい環境に慣れるための工夫を試行錯誤していますが、勝利数やタイトルへの意識はさほど強くありません。

 「勝ち負けはチームの援護で変わると思いますし、それよりもイニングや防御率、そういうところを気にしながらやっていきたいと思います。勝てるに越したことはないですけど。勝ちが付くのは先発投手にとってすごくうれしいですし、気分的に楽になるので、たくさん勝てればいいなとは思いますけど」。

 確かに、成績のカテゴリーとしては「ルーキー」です。ただ、前田をはじめ日本人選手の場合、チーム内での立場、メンタリティーともベテランと同等に評価され、期待されているからこそ、新人王のタイトルと縁遠くなっているのかもしれません。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)