2年連続で無安打無得点試合を達成したカブスのジェーク・アリエッタ投手に薬物使用疑惑がわき起こっているようだ。

 これはAP通信などが伝えたもので、アリエッタがPED(パフォーマンス拡張薬物)を使っていたという噂が選手の間で広がっているというもの。AP通信の記事によれば26日に匿名の選手が同社の記者に対しこの件についてチームメイトが聞いたことがあると話したということである。

 2010年にオリオールズでメジャー・デビューを果たしたアリエッタは翌11年に10勝をあげる活躍を見せた。が、12年は3勝に低迷、13年にはマイナー降格の後カブスにトレードされている。しかしトレード後はめざましい復活を見せ、4勝をあげると、2014年には再び10勝をマーク。昨年は22勝6敗防御率1.77、無安打無得点試合を達成しサイヤング賞を受賞した。今シーズンもノーヒッターを含み、ここまで4勝無敗であり、カブスのエースであるだけでなく、MLBを代表する先発投手として君臨している。

 が、このトレードを機にしての大きな成長に対し、PEDを使用したからではという疑念の噂が広まっているというのだ。

 これに対し、APの記事でアリエッタは「自分はいつも良い体形を維持してきたので、それはおかしいと思う。キャリアの初期に調子が悪かっただけだ」と反論している。

 さらに調子が上がった要因として、練習プログラムを変え、食事の量を増やしたためだと説明したということだ。

 また自身が選手会とMLBが合意している薬物検査規定の強い支持者であるとし、「まだそうしたものを試みる選手がいるのは明らかで、自分はそうしたことは不運だと思う。そうした選手は罰則が厳しくならない限り続けるだろうと思う。個人的にはステロイド検査に落ちた選手たちに複数回のチャンスを与えるべきではないと思う」と話している。

 アリエッタはこの噂についてかなり怒っているようで、全国紙USAトゥデーのインタビューでは「リーグで最高の選手の何人かが自分がステロイドを使っていたかどうかを話しているのを聞いた。自分が聞いたことのいくつかはとても変で、正直、そうした人々はバカだ」とまで言い、1年に10回検査を受けていると断言したということだ。

 選手間の噂という形で出てきたこの疑惑が今後どのように収束するのか、まだ雲行きははっきりしない。