【マイアミ(米フロリダ州)5日(日本時間6日)=四竈衛】マーリンズのイチロー外野手(41)が、メジャー15年目、日米通算24年目のシーズン開幕を新境地で迎える。6日(同7日)の開幕戦(対ブレーブス)はベンチスタートが決定。それでも、開幕前日の会見では、日米報道陣の前で「かわいくてしょうがない」と、若い同僚への期待感を口にした。

 新天地に合流して約1カ月半。一緒にキャンプを過ごすうちに、イチローの胸中には特別な思いが芽生えていた。「ひとつ言えるのが、とてもいい人間が集まっているのは確かです」。居心地の良さだけでなく、練習熱心なチームとしての姿勢、首脳陣や選手間のリスペクト…。「(開幕を)待ち遠しいと言うほど僕には余裕はないですが、年齢差もあって、みんなかわいくてしょうがない感じ。この時点で、こんな気持ちになることは今までなかったことなので、その一点だけフォーカスすれば、ワクワクしています」。立場的にはライバルでもある同僚に対し、思いを込めて語るほど、イチローはマーリンズに溶け込んでいた。

 レドモンド監督が発表した開幕戦のスタメンに、イチローの名前はなかった。ただ、イチローにすれば、自らの役割を果たすことに徹するしかない。首脳陣の期待は、スタントンら20代中盤の主力を支え、本物のプロの集団へ成長させていくこと。「この時点で、チームにいい空気が出来上がっているのは、僕には経験がない。そこに驚いています。1人になった時、そのことを考えると、少し感情的になってしまうぐらい、いい子たちです」。実際、ヤンキースでも一緒にプレーしたプラード三塁手は、イチローを手本として慕う。「彼がどれだけの準備をしているか、それは驚くべきこと。みんな毎日その姿を見ているが、素晴らしいサンプルだよ」。

 開幕戦では途中出場する見込みだが、本拠地マーリンズパークでは初めてプレーすることもあり、練習中には外野フェンスのラバー部分を細かくチェックするなど、準備にぬかりはない。メジャー通算3000安打まで、あと156本と迫る2015年。「今まででベストかもしれない」と言う、若く、才能豊かな同僚と一緒に、新境地のイチローが新たなスタートを切る。

 ◆マーリンズ主力の年齢層 レドモンド監督が発表した開幕戦のスタメン9人中、一塁モース(33)と三塁プラード(31)を除く7選手が20代。イチローのライバルでもある外野手は、左翼イエリチ(23)、中堅オズナ(24)、右翼スタントン(25)といずれも20代半ば。41歳のイチローは43歳のレドモンド監督と2歳差で、正二塁手ゴードン(26)の父でレッドソックスなどで抑えを務めたトム・ゴードン元投手(47)とも対戦経験がある。