ヤンキースからFAとなった松井秀喜外野手(35)の残留の可能性を指摘する声が増えてきた。ニューヨークの地元各紙は、デーモンの残留交渉が決裂すればヤ軍が松井にシフトする可能性が出てくると指摘。3年以上の複数年契約を希望するデーモンとヤ軍との隔たりは大きく、合意は難しいという見方も強い。周囲の状況に左右される要素も多い中で、松井の交渉は粘り強く進められていく。

 ウインターミーティングで先発投手と外野手を獲得し、ヤンキース補強の次なる関心はDH、そして松井へと移ってきた。11日付のニューヨーク・ポスト紙は残留ならDHの第1候補となるデーモンとヤ軍との隔たりを指摘。「デーモンは3、4年の複数年契約を望んでいるがヤ軍が応じる可能性は極めて低い。提示額は年俸1000万ドル程度だが、他チームがそれ以上を提示する可能性はある」と述べた。さらに「彼が退団となれば、松井との再契約をより真剣に検討するかもしれない」とも報じた。

 デーリー・ニューズ紙も「デーモンが2年以下の契約に応じなければヤ軍が松井に関心を向けることは十分にありうる。それに松井は1年契約での残留に前向きだ」と、松井とデーモンの要求の違いを指摘。「デーモン決裂→松井に残留オファー」のシナリオが実現する可能性を報じた。キャッシュマンGMが先発投手に加えてDHの補強の必要性を口にする中で、今季DHのレギュラーとして世界一に貢献した松井の存在がにわかにクローズアップされてきた。

 同GMは、松井との残留交渉を慎重に進めていく方針を明言している。予算の制限も厳しく、先発投手などの補強が優先される状況ではあるが「興味があり、必要としているから話し合いを続ける」と決裂ムードは浮上していない。カリフォルニア州で自主トレを行っている松井サイドが外野手復帰にこだわれば交渉は暗礁に乗り上げるが、デーモンとの交渉次第ではDH松井に好条件の残留オファーが届く可能性もある。松井とヤ軍の綱引きは、周囲の状況もはらんでまだ続いていく。