<ヤンキース7-2ブルージェイズ>◇18日(日本時間19日)◇ヤンキースタジアム

 【ニューヨーク=水次祥子】ヤンキース・イチロー外野手(39)をめぐり、ジョー・ジラルディ監督(48)とニューヨークのメディアが一触即発となった。イチローが欠場することが分かったブルージェイズ戦の試合前の監督会見で、米国人記者から「ただの休養か」と質問が飛び、同監督は「ただの休養だ」と強い口調で返答。現地メディアが調子の上がらないイチローに対して厳しい論調で騒ぎ立てる中、必死に守るかのように怒った表情で話した。

 ジラルディ監督が怒った。試合前の会見で、イチローの欠場に対する質問を受けた。ニューヨーク・ポスト紙記者から「イチローはただの休養なのか」と問われ、急に怖い表情になった。「ただの休養だ」と強い口調で返答。さらに同記者から「イチローのスイングに不安があるからではないのか」と質問されると「ノーだ。本人にも休養だと伝えてある」と怒った表情で話した。

 会見場には一瞬緊迫した空気が流れ、その後すぐに会見は終了した。ここ数日、地元メディアには調子の上がらないイチローへの厳しい論調の記事が躍った。ニューヨーク・ポスト紙は「もっと打たなければならない」と書き、「急激な衰えがきている」と書くメディアも。打率2割4分1厘と低迷していることを、静観してはくれなかった。

 だが、ジラルディ監督はイチローを守るかのようだった。昨年9月にも同じニューヨーク・ポスト紙の記者に激怒している。エース左腕サバシアの5失点乱調に「故障では」と同じ質問を3度繰り返され、会見直後、その記者を監督室に呼び入れると激しい怒鳴り合い。近くにロッカーのあるイチローが「メディアが監督にあんなことを言うなんて。今日のトピックじゃないですか。前代未聞でしょ」と目を丸くした過去がある。

 今季もイチローが欠場するたびに、同監督は同じような質問を浴びせかけられてきた。周囲の雑音をシャットアウトするには、結果を残すしかない。