日本生まれの「イチロー2世」が破格のドラフト上位指名を受けた。大リーグの新人選択会議が6日(日本時間7日)ニュージャージー州セコーカスで始まり、ヤンキースが2巡目(全体66位)で加藤豪将(ごうすけ)内野手(18=ランチョバーナード高校)を指名した。同内野手は両親とも日本人で東京生まれ。「将来のゴールドグラブ」という堅守が人気を集め、米ドラフト史上で日本人選手の最高順位指名につながった。プレースタイルはあこがれのヤ軍イチローをまねており、進学希望から一転、ヤ軍入りが確実となった。

 日本球界にとってメジャー入り以上の「快挙」と呼んでいい。3日間で1200人以上が指名される米ドラフト。この日73人だけが選ばれた初日のエリート指名で、過去に1ケタ巡もなかった日本人選手の名前が呼ばれたのだ。加藤は、地元紙ポメラド・ニューズ電子版の取材に、「知り合いから連絡をもらい驚きました。まさか2巡目までに指名されるなんて思わなかったし、しかもヤンキース。最初は信じられなくて、テレビを見て確認しても信じられなかった」と夢見心地だった。

 加藤は東京出身。父はソニーのエンジニアだという。地元紙のインタビューでは「北カリフォルニアで育ち、00年にサンディエゴに引っ越した。僕が英語を話せなかったので、言葉を覚える手助けになればと、両親がリトルリーグに入れました」と異国で野球に触れ合うきっかけを明かしている。強豪校に進学して頭角を現し、高校通算は打率4割1分3厘、20本塁打、102打点。在学中に身長10センチ、体重は20キロアップし、左腕ハメルズ(フィリーズ)、ブレーロック元三塁手(元レンジャーズ)らオールスター選手を輩出した名門校で、歴代最高クラスの実績を残した。

 それでもドラフト直前まで「隠し玉」的な存在だった。専門誌ベースボール・アメリカでは189位にランクされ、指名は4巡目が妥当とされた。シュアな打撃に加え、守備範囲の広さ、送球の素早さなど「守備の神童」としてこの数週間で評価を急騰させたという。ヤ軍は今オフにFAとなるカノ二塁手が去就を明かしておらず、後継者探しを急ぐタイミングとも重なった。二塁が定位置の加藤も守備には自信を持ち、グラブは日本から取り寄せたスラッガー社製を愛用。コンビを組みたい遊撃手には殿堂入りしたオジー・スミス氏(元カージナルス)を挙げた。

 ヤ軍入りへの決意も固まった。学業優秀で両親も卒業した名門UCLAから奨学金を得ており、進学を有力視されていたが、同電子版で「ヤンキースには歴史がある。問題なく(交渉が)進めば、来週にもヤンキーの一員になっています」と入団意思を明かした。あこがれだったイチローの存在も大きく、同じ左打者として「僕のスイングはイチローとカノのいい部分をミックスしたもの」と今もお手本にする。契約金は78万ドル(約7800万円)前後とみられる。「(高校時代の宿敵)クラキンも全体33位でヤンキースに指名された。彼と同じチームでプレーするのが楽しみ」と目を輝かせた。

 ◆大リーグドラフト

 電話会議で、原則として前年の勝率の低い球団から指名する「ウエーバー方式」で、1球団40巡目まで約1200人指名。対象は米国、プエルトリコ、カナダの高校、大学選手。

 ◆加藤豪将(かとう・ごうすけ)1994年10月8日、東京出身。幼少期をカリフォルニア州マウンテンビューで過ごした。アスレチックスのビーンGMらがOBの名門ランチョバーナード高校に進学。在学中にチームを3度の同州優勝に導き、今季は33試合で打率3割5分5厘(110打数39安打)、11本塁打、31打点。準全米オールスター高校生に相当するローリングス・ナンバー2チームに選出された。188センチ、81キロ。右投げ左打ち。好物はすし。