<マリナーズ3-2アストロズ>◇10日(日本時間11日)◇セーフコフィールド

 マリナーズ岩隈久志投手(32)が3戦続けて自責点0と好投し、5連勝で今季7勝目を挙げた。アストロズ戦は3回に味方の失策も絡んで先制点を許し、連続無失点こそ球団歴代8位の23回2/3で途切れたが、7回を4安打1失点(自責0)、8三振を奪う圧倒的な投球。相性のいい本拠地セーフコフィールドでは、昨季から続く連続クオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以下)を9試合に伸ばした。

 岩隈は狙い通りのゲッツーで締めた。2-1とわずか1点リードの7回。先頭ペーニャに左中間を破られ、1発が怖いカーターにはボール先行により初四球を与えた。無死一、二塁と勝ち越しの走者を出しても、岩隈は強気だった。

 次打者をスプリッターで空振り三振。4人目の打者の初球に暴投し1死一、三塁とされたが、空振りを奪った2球目ツーシームがヒントになり、3球目のサインに首を振った。

 岩隈

 ゲッツーを欲しかったので。空振りで、相手がちょっと開き気味のバッターでもあったので。狙い通りというか、予定通りのピッチングです。

 続けてツーシームを要求。内角球に詰まらせて、二ゴロ併殺打で切り抜けた。興奮してショパック捕手に声を掛けたが、「(何を言ったか)いや分かんないですね。気合が入ってたんでしょうね。覚えてないです」と笑った。

 メジャー30試合目となる節目の先発登板だった。ア軍には前回対戦で今季唯一の黒星を付けられ、3回には連続無失点を止められた。1死一塁で投ゴロを処理し、併殺を狙って二塁に投げたボールを遊撃手が後逸。その後、犠飛で先制を許した。ただ集中力は切れず、6回2死三塁でJ・マルティネスを見逃し三振に仕留めた1球は、今季最速の94マイル(約151キロ)を計測。ウェッジ監督は「メジャーで一番安定している。ゲッツーは大きかった。昨季後半も安定していたが今季はそれ以上」と絶賛した。

 今季初黒星の後は、9戦して負けなしの5勝を挙げる。ホームでは7戦して防御率0・92と危なげなく、勝ち星でもエースのヘルナンデスに並んだ。岩隈は「相手のバッターもだいぶ分かってきた。しっかり相手に攻めながら投球することができてます」と表情は終始明るく、自信に満ちていた。【水次祥子】