ラストチャンスをもらった。ロッテのドラフト2位田中英祐投手(22=京大)がオープン戦に初登板し、2回を3安打2失点とつかまった。常時8メートル前後の強い向かい風が抜く中、バランスを崩し、帽子が3回落ちる悪条件でもあった。

 良い面と悪い面が出た。6回から2番手でマウンドに上がると1死後、藤井にはフルカウントから捕手田村のサインに首を振り、「自信があったので。しっかり投げられたのは良かった」とスライダーで空振り三振に仕留めた。

 ただ直球の制球には苦しんだ。風を意識し、手先でコントロールしようとして感覚がズレた。6回2死からの四球も、7回無死満塁から高橋周に与えた押し出し四球もそうだった。「体もボールも捕手に乗っていきにくかった。でも、もっと強い日もある。対策を練りたい」と課題として受け止めた。

 イニング間の準備開始のタイミングも、座る場所も分からないなど、まだ覚えることは多い。伊東監督は悪条件も考慮した上で、「いいボールもあった。アンラッキーもあったので、もう1回チャンスを与えます。次は150キロを見たいね」と評価。次回は予定通り18日のソフトバンク戦に先発し、3、4イニングを予定。一発逆転の望みをつないだ。【矢後洋一】