ナニワの悪夢だ。中日が開幕から2試合連続の延長サヨナラ負けを喫した。0-0の延長10回。無死一、二塁で4番手祖父江大輔投手(27)は梅野の送りバントに三塁封殺を狙ったが、ズルッと足をすべらせてセーフ(記録は犠打野選)。代打関本に押し出し死球を与えてジ・エンドだ。

 谷繁元信兼任監督(44)の言葉にも悔しさがにじんだ。「こういう競った試合をやりながら、取っていかないといけない。紙一重で負けたというだけじゃなく、こういう試合を取れるようにこれからやっていかないと」。2試合とも予想していた接戦。得意の投手戦でも、白星は遠かった。

 引きずるわけにはいかない。同点の8回からはあえてセットアッパー又吉を送り込んだ。前日27日の開幕戦で先発山井の勝ち星を消した右腕は、連投のマウンドで2回を6人でピシャリ。9回2死で、前日同点打を浴びたゴメスを外角スライダーで天井直撃の捕邪飛に打ち取った。「これで又吉は普通にやってくれると思う」と“リハビリ”を完了させた。

 指揮官が開幕前から口癖のように言ってきたフレーズがある。「1年トータルを考えて戦う」。ゴールは秋。143試合を考えて駒を動かす。最後に笑うためにも、敗戦を無駄にしない。【桝井聡】