「リメンバー佑」だ。日本ハム栗山英樹監督(53)が、今日17日楽天戦(コボスタ宮城)で今季2度目の先発マウンドに上がる斎藤佑樹投手(26)に「必死な姿を見せろ」と厳命した。仙台への移動便に乗り込む直前の新千歳空港出発ロビーで、熱く、言葉をつないだ。

 栗山監督の理想は、斎藤が1失点完投勝利を飾った12年の開幕戦。西武を被安打4に抑えた。「あのときは必死に打者を打ち取りにいっていた。姿だったり、魂の方が大事。チームの流れをつくれる姿。それをオレは求めている」。移動前の新千歳空港で、17日先発の右腕へ期待を口にした。

 前回登板した今月2日のロッテ戦は、8点の大量援護を受けながら、4回に3失点し、続く5回1死一、三塁とピンチを招いたところで降板した。「球がよくても、勝ちにつながらなくてはいけない」。投球自体は評価しているものの、マウンド上での気迫、立ち居振る舞いに不満が残った。「こっちも嫌な思いをさせている。生かしてくれると思う」と屈辱をバネにすることを求めた。

 斎藤が開幕勝利を飾った12年は、混戦を制してリーグ覇者となった。6カード連続負け越しなしと好調なチームの中で、斎藤があのときのような投球をすることができれば、さらに首位の座は盤石になる。同監督も「ホントに楽しみにしてます。(大事なカード初戦という)責任も含めて、投げないといけない」と力を込めた。

 くしくも4年前、プロ初登板初勝利を挙げたのが、4月17日。海を渡った宿敵・ヤンキース田中が投げた仙台のマウンドで、斎藤が復活ののろしを上げる。【本間翼】