楽天ケニー・レイ投手(40)が「マサカリ」を超えた。5回まで完全、6回を1失点に抑える好投で、開幕から4連勝を飾った。40代投手の開幕4戦4勝は1990年(平2)のロッテ村田兆治氏(日刊スポーツ評論家)を抜き、新記録となった。

 お立ち台に上がったレイは「僕はここにいていいんでしょうか」とおどけた。5回まで1人の走者も出さず、6回1失点で勝ち投手になった。堂々たる内容だったが、7点の援護をくれた野手陣に感謝の姿勢を貫いた。

 1回、直球を投げた瞬間に調子の良さを感じたという。「この直球なら、今日は変化球もいいはず」と予測した。右打者内角へのツーシームと外角へのスライダーがさえた。ロッテ打線を封じ、40歳以上の投手としては初めての開幕4戦4勝を飾った。

 これまで3戦3勝で肩を並べていた村田兆治氏のことは先日、知った。「この前、則本が教えてくれたんだ。すごい投手だね」。その記録を抜いたことを喜びながらも「あんまり40歳、40歳って言わないでくれ。そんなに年取ってないよ」と笑った。

 若さの秘訣(ひけつ)は学習欲だ。今はトレーニングや体調管理にこだわっている。

 レイ 何が自分に合うのか、合わないのか。聞いて、見て、試しての繰り返し。自分のチームだけではなく、他のチームだったりを関係なく学んで吸収したい。誰をモチーフにというのはないけど、(日本ハム)大谷は参考にならないよね(笑い)。160キロは投げられないからさ。

 米国、メキシコ、プエルトリコ、ベネズエラ、台湾、韓国、ドミニカ共和国、日本でプレーした。8カ国を渡り歩いた苦労人。どこでも適応できる明るさがある。大好きな日本語を聞かれると「おかわりビール」と言って笑わせた。【竹内智信】

 ▼40歳のレイが4連勝。40代投手が開幕4連勝以上は10年に山本昌(中日)が5連勝、木田(日本ハム)が4連勝して以来、5年ぶり6人目。過去の5人は途中に勝敗なしの試合を挟んで4連勝を記録したのに対して、レイは登板した4試合がオール白星の4戦4勝。40代投手の開幕から4戦4勝は、90年村田(ロッテ)の3戦3勝を抜いて新記録となった。