DeNA中畑清監督(61)は努めて冷静に敗戦を受け止めた。今季3度目のサヨナラ負けで、球団初の8カード連続勝ち越しならず。「お互い総力戦だった。(勝ち越しが止まる時は)そりゃ、くるでしょ。でも、ちょっともったいなかったかな」。悔しさの原因は、未知の領域に踏み込めなかったことではなく、重なったミスにあった。

 「自分の方から(勝ちを)手放してしまったところが多々ある。負けるときは、こういう流れがある」。1点を追う3回1死一塁では三嶋が、同点の延長11回無死一塁では高城がスリーバント失敗。常々口にする「出来ること」が出来なかった。畠山のサヨナラ打は、三塁ファウルゾーンへの飛球を、高城と見合う形になった白崎が1度グラブに入れながら落とした直後。チームに勢いがあるときこそ「いかにミスをしないかが重要」と説いてきたが、その懸念が露見した。

 記録こそ止まったが、2位巨人が敗れ、交流戦を首位で迎えることが確定。4番筒香に2試合連続アーチが出て、リリーフ陣も踏ん張りをみせた。「1球の甘さ、怖さがしっかり出た試合じゃないかな」と振り返った黒星。この「もったいない」試合を糧にして、再発進する。【佐竹実】

 ▼筒香がセ・リーグ10号一番乗り。DeNAでは13年ブランコ以来7人目。DeNAの日本人では56年青田、61年桑田、69年伊藤、77年田代に次いで38年ぶり5人目。左打者は初。5人のうち本塁打王は青田だけだが、筒香はどうか。

 ▼DeNAが今季3度目のサヨナラ負け。これで延長戦は4連敗となり、そのうち3敗は小杉が責任投手。球団初の8カード連続勝ち越しを逃したが2位巨人が敗れたため交流戦前の首位が確定(巨人も同率首位の可能性あり)。DeNAが交流戦にセ・リーグ首位で突入するのは初。セではDeNAだけが首位で交流戦を迎えたことがなかった。