最後に粘ったが、ソフトバンクは4度目の4連勝への挑戦もはね返された。9回に3安打で2点を奪い、温存するはずだったヤクルト守護神のバーネットを引きずり出した。反撃もそこまでで、またも首位を日本ハムに明け渡した。工藤公康監督(52)は「いい粘りだった。みんながつないでね。ああいうのが明日につながる」と前を向いた。

 この日は年に2度のルーフオープンデーだったが、雨模様で中止に。実は屋根が開くと5連勝中だったが、閉ざされた天井の下で打線は6戦ぶり1桁となる8安打3得点と湿った。5回1死一、三塁から細川の代打川島がセーフティースクイズを試みるも失敗。投手正面へのゴロで、三塁走者松田が本塁で憤死した。

 工藤監督は「細川なら警戒されるが、川島なら足もあるし、打つ方もある」と自信を持って送り出し、3球連続でセーフティースクイズのサインを出した。川島は「差し込まれてしまった。セーフティーは一塁側に転がすのが基本。決められればよかったんですが」と唇をかんだ。

 キャンプだけでなくシーズン中にも練習日にセーフティースクイズの練習を行っていた。通常のスクイズとは違い、バットに当たってからスタートを切らなければならない三塁走者の判断も難しい。工藤監督は「スクイズじゃないんでね」と責めなかった。

 4連勝の壁をまたも越えられなかった。工藤監督は「連敗もないので、着実に貯金は増えてきている。そうやって確実に勝ち越していくことが大事。明日、明日」。50試合目で貯金は7。天井知らずの快進撃より、波のない戦い方で連覇へ進む。【石橋隆雄】