やったぜパパ! 合計「7児の父」の連弾で中日が鮮やかな逆転勝ちだ。7回に逆転された直後。1点を追う8回に4児の父和田一浩外野手(43)が豪快な同点2号ソロ、続く3児の父アンダーソン・エルナンデス内野手(32)が左越えの決勝5号ソロを放った。わずか2球で試合をひっくり返す痛快勝利。首位巨人に2・5ゲーム差と迫った。

 なんて頼れるパパさんなんだ。父の日に輝く、父親2人の連続アーチ。2-3の8回。先頭和田が代わったばかりの巨人マシソンの直球をフルスイング。2ボールから直球を狙い澄まし「今年一番の当たり」という打球をバックスクリーン左のカメラ席に突き刺した。腕には「父の日」の水色リストバントを巻き、かっこよく決めた。

 和田 すごくいいカウントだったので、甘い球をファウルにしないようにということだけを考えていた。

 4人の子どもの父親が放った2号同点ソロは、続く3児の父エルナンデスを乗せた。和田弾の興奮がさめやらぬ初球。高め154キロを振り抜いて左翼ポール際へ運んだ。わずか2球でパパ2人が試合をひっくり返した。

 エルナンデス 真っすぐの速い投手だから真っすぐを狙っていたよ。和田さんのホームランで同点に追いついたから、塁に出ることだけを考えていたよ。

 前日20日には失点に結びつく2失策と元気がなかったドミニカンだが、5月26日ソフトバンク戦以来の5号ソロでテンションも急上昇。「全国のお父さんおめでとう!」といつもの陽気な姿に戻った。東京遠征に同行した家族にも最高のシーンをプレゼントした。

 わずか数分間の逆転劇を作ったパパ軍団に谷繁兼任監督も絶賛だ。「2人ともいい集中力。ホームランという最高の結果だった。相手の投手を見ながら、しっかり準備して打席に入っている」と目を細めた。首位巨人にカード勝ち越しで2・5ゲーム差と食らいつく。西武、中日と優勝争いを経験してきた和田は、勝負どころを熟知している。

 和田 大げさじゃなくてこの3連戦がペナントレースを左右すると思って東京に乗り込んできた。上位のチームにしがみついていかないと。夏に勝負するためにも振り落とされないように。1試合1試合です。

 熱を帯びるペナントレース。ここで離脱するわけにはいかない。【桝井聡】