巨人菅野智之投手(25)が今季ワーストの6失点(自責点5)で6敗目(6勝)を喫した。7回1死一、二塁で、上田の打球が一塁手阿部のグラブをはじいて適時打となると、途中降板を告げられた。口元をギュッと引き締め、悔しさを押し殺しながらベンチへ。「最後まで修正できませんでした」と自らを責めた。

 負けるべくして負けた。初回の先制点は一塁側への投ゴロを「焦ってしまった」と捕り損ねて傷口を広げたことが招いたもの。4回に喫した2失点目は暴投と流れを相手に引き渡した。

 何よりも、いつもより直球が走らず、プラン通りにいかなかった。逆転した直後の5回無死一塁で、打者山田。「内角に投げて詰まらせてゲッツーを取ろう」と1ボールから投じた145キロのインローを、完璧に左翼席まで持っていかれた。4回1死二、三塁では、打率1割台の大引に遊ゴロを許して3失点目。本来の球威なら空振りが奪えた場面でも奪えず、この日の奪三振は2止まりだった。

 26日の試合が雨天中止となり、登板日が変わった影響もあったかもしれない。それでも「力勝負でいって打たれ、かわそうとしてボール先行カウントになり自分のペースをつくることができませんでした」と言い訳にせず、背負い込んだ。

 シーズン折り返しの73試合目で、チームも借金生活に戻った。試合後、原監督は三塁側スタンド前を歩いて引き揚げながら、敗戦を物語るスコアボードに目をやった。「ほめられたものじゃないですね。(失策があったが)あれぐらい抑えてカバーしないといけません」と厳しい言葉の中に期待を込めた。菅野も「全部自分の実力。今日の投球はいい勉強になりました。切り替えて次に生かしたい」と顔を上げた。このままでは終わらない。【浜本卓也】

 ▼菅野が6失点で6敗目。神宮球場では通算4試合に登板して0勝2敗で、セ・リーグの本拠地6球場の中で唯一白星がない。これで6月は0勝2敗。菅野の月間0勝は5度目だが、過去4度は1試合しか登板していない月。2試合以上登板した月に0勝は初めてで、月間で「借金2」もワースト。