DeNA中畑清監督(61)が南国・沖縄で“カツ”を注入し、勝利を呼び込んだ。6月最後の試合となった中日戦で今季3度目の「1-0」完封勝ちで連敗を2で止めた。3回に2死二塁から梶谷が左前打を放ち先制。先発久保は今季初の2安打完封勝利で、チームの連敗を止めた。今季73試合目の折り返し初戦を白星で再スタートを切った中畑監督は「1-0でもなんでも勝ちたい。勝つことは本当に大事だと思いました」と、汗びっしょりで振り返った。

 灼熱(しゃくねつ)の沖縄で61歳の指揮官が勝利だけを求めて体を張った。試合前に向かった地元食堂。豆腐チャンプルー、ソーキそば、ポークたまご…と特盛りの地元料理が並ぶ。沖縄料理を注文するかと思いきや「俺はカツカレー」と、特大カツが2枚も重なったカツカレーを注文した。「それにしてもすごい量だな。カツカレーだけに勝つかなぁ?」と“キヨシ節”を合図にスプーンで胃袋に流し込んだ。あまりの量の多さに1切れだけ残したが、大半を平らげ“腹の底から”白星を願った。

 最大12連敗が象徴するように、どん底まで突き落とされた6月は、4勝14敗1分けと苦しんだ。これでもかというぐらい負けた「魔の6月」とは白星で決別。5月までの快進撃を再現するために「もう1回、勢いというものを取り戻したい」との期待を込めた“喝カレー”でもあった。2月の宜野湾キャンプ以来となる沖縄上陸で原点を思い起こし、7月は再び勢いを「復カツ」させる。【為田聡史】

 ▼久保が昨年9月9日ヤクルト戦以来、通算7度目の完封勝利。スコア1-0での完封は初めて。沖縄県内の公式戦で完投勝利は61年稲尾(西鉄)75年外木場(広島)に次いで40年ぶり3人目、完封は初めて。久保は昨年7月9日にも沖縄セルラー那覇で6回無失点で白星を挙げており、同県で2勝目も初となる。