どんな負けでも同じ1敗だ…。と割り切るのが難しいショッキングな負けだった。8月5連勝を狙った中日若松駿太投手(20)が5点差をひっくり返された。巨人に手痛い3タテを食らい、再びクライマックスシリーズ(CS)の自力進出が消滅する危機に追い込まれた。5年連続の巨人戦負け越しも決まり、ナイターで勝ったDeNAに抜かれ最下位に転落した。

 3回に和田の3ランなどで5点先取。さあ連勝時の勢いを取り戻した、若松の8勝目もほぼ手中に…。だが捕手の杉山に「この回抑えよう」と促され向かった直後のマウンドで20歳右腕は集中砲火を浴びた。

 「球が高かった。修正できなかった。取ってもらったあとに取られてしまい、野手の皆さんに申し訳ないです」。片岡のソロから5連打。最後は代打隠善に2点内野安打で同点にされた。際どいコースをボールとされた判定にも泣かされたが、言い訳はできない。谷繁兼任監督も「本人がどう思っていたか、僕には分からない」と首をかしげる変調ぶりだった。

 2日の巨人戦では同じ東京ドームで初完封。そこから4連勝で、防御率0点台と中日の快進撃を支えた。だが4週間後に悪夢が待っていた。勝てば月間MVP確実という状況で「この試合に勝つことだけ」と賞には無欲だったが、歯車が狂った。もうあとがない。次はナゴヤドームで6連戦。次戦1日のDeNA戦に負ければ自力CSも消滅する。がけっぷちに立たされた指揮官だが「戦い方は変わらない。うちは1つずつ勝っていくしかない。しっかり反省して、あさってから集中して勝ちにいく」と口調を強めて帰路に就いた。【柏原誠】