いざ勝負の6連戦へ。広島が8月31日、勝負の9月初戦を迎える甲子園に入った。甲子園室内練習場で行われた練習では先発投手陣に加え、自主参加だった野手も5人が打ち込んだ。緒方孝市監督(46)も訪れるなど大勝負を迎える雰囲気に包まれていた。借金4から上位浮上へ、投手陣もフル稼働。まずは虎狩り、ヤクルト一気のみから、9月制覇への道を進み出す。

 打撃投手に加え、迎打撃コーチ補佐も、植田バッテリーコーチも投げた。傍らでは2台のマシンも音を立てながら稼働していた。甲子園室内練習場。複数の打球音が約1時間、響き続けた。野手は自主参加だったが、丸、会沢、田中、鈴木誠、野間がみっちりと打ち込み。ケージ裏では腕を組んだ緒方監督が状態をチェックしていた。勝負の9月へ。締まった空気が流れた。

 緒方監督 いつも通り1戦1戦は変わらない。残り試合も(28試合と)少なくなってきて、浮上するためには大事な6連戦になる。打線全体で攻撃する意識で点を取っていきたい。

 丸 ずっとどれも大切と思ってやってきた。甘い球は少ないと思うが、逃さずにやっていきたい。

 汗を吹き出し、キレに変えた攻撃陣。その20メートル先のブルペンでは、右側のプレートを使ってエース前田が感覚を確かめていた。2戦目の2日に登板予定。前回登板の8月27日は阪神戦今季初登板だった。8回無失点に封じ6年連続の2桁勝利をマークした。エースには今後、中4日を含めたフル回転が要求される。まずは再現とばかりに、甲子園のマウンドに立つ。

 前田 ここからは全部が大事。大事と言うよりいつも通りです。相手も考えてくるかもしれないけど、動じず、落ち着いて投げたい。甲子園も好きな球場だし、いいイメージがある。

 一戦必勝が続く。畝投手コーチが「しんどい思いをしてもらうことになる」と言ったように、中継ぎ陣もフル稼働が要求される。借金は4だが、首位阪神とは4・5ゲーム差だ。甲子園3連戦後には2位ヤクルトとの神宮3連戦も控える。進撃の9月は、第1週が勝負。総動員で急浮上を目指す。いかにも、やってくれそうな気配が漂う。【池本泰尚】