開幕ローテーション入りも今季未勝利の日本ハム斎藤佑樹投手(27)が8月31日、現在の心境を明かした。今季は不調からの脱却策として一時的な中継ぎへの配置転換も経験。8月は1軍で3度の先発機会があったが、試合をつくりながら白星には届かなかった。0勝のままシーズン最佳境の9月に突入した右腕だが「今は、野球がすごく楽しい」と、勝負の秋へ向けた思いを激白した。

 猛暑が一段落した日本ハムの2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷で穏やかな表情の斎藤がいた。先発機会がないため、前月23日に出場選手登録を抹消。今季未勝利のまま9月を迎えたが、前向きな感情が芽生えていた。

 斎藤 今は、野球がすごく楽しいです。なんて言うんですかね…野球をやってるって感じ。久しぶりですね、そう感じるのは。(12年の日本シリーズで)右肩を痛めてからは必死でした。やっぱり結果を出さなきゃいけなかったし、今年の序盤も楽しいと考える余裕はなかった。後半戦から先発に戻ってからですかね、そう感じるのは。

 今季も苦悩した。開幕ローテ入りも不調で4月に2軍降格後は一時的にリリーフも経験。再び先発に復帰し、8月は1軍で3度先発。すべて5回以上を投げて試合はつくった。勝てない悔しさはあったが、内容に手応えもあるからこそ、強い思いが胸に宿る。

 斎藤 もっと、こう投げられればとか、細かい部分を向上させられると思う。その上で、今年1勝でも2勝でもしないといけない。そうしないと、自分も気持ち良くない。勝つにしても、順位が確定してからでは遅い。チャンスが来たら、確実にモノにしないと。

 チャンスは、9月に訪れるかもしれない。12日西武戦からの6連戦では、現状5人の先発の駒が足りなくなる。栗山監督も「3回、いい投球をしたのは評価している」と、再登用のタイミングを探っている。

 斎藤 (2軍合流前に)栗山監督からは「調子を維持してきてくれ」と言われました。シーズンも終盤ですし、次のチャンスをもらえるなら、確実に行けるように準備するだけです。

 今日1日はイースタン・リーグDeNA戦(横須賀)で先発予定。2軍合流後の初実戦で、再び1軍での先発機会を得て勝利を挙げるための再スタートを切る。【木下大輔】