巨人原辰徳監督(57)が、今季限りで辞任することになった。ヤクルトとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに敗退し、日本シリーズ進出を逃した。今季の戦いが終了し、試合後に桃井恒和球団会長(68)に辞任の意向を伝えた。明日19日、渡辺恒雄最高顧問(89)と白石興二郎オーナー(69)に、直接伝える。

 巨人原監督の後任は慎重に人選する可能性が高い。同監督が残した成績は、過去の監督と比較しても突出している。監督不在の期間を置かないことが巨人の慣例だったが、原野球を多角的に分析した上で、未来の巨人を託すにふさわしい人物を探していく。

 OBの江川卓氏(60)は、原監督が築いた土台を引き継ぎ、発展させていく資質を備えている。巨人のエースとして通算135勝。勝利を重ねる重みを肌で知る。巨人戦を中心とした解説活動を継続しており、戦力を客観的に把握している点も大きく、有力な候補とみられる。10日、解説で東京ドームを訪れた際には「すいません。今日は何もないです」と話している。

 チーム内には原イズムを熟知している指導者がそろっている。現体制のスムーズな移行に主眼を置く場合、内部昇格も不思議ではない。中でも斎藤雅樹投手コーチ(50)は、原監督とともにキャリアを重ねている。しかし責任感が非常に強く、引責でチームを離れる可能性もある。打撃向上は目下の課題であり、高橋由伸外野手兼任コーチ(40)の抜てきも選択肢に入る可能性がある。