ロッテからドラフト3位指名された秋田商・成田翔投手(17)が27日、同校で指名あいさつを受けた。球団からの期待は1年目からの先発。成田も「早く1軍に上がる」と力強く宣言した。ソフトバンク1位の県岐阜商高橋純平(18)らU18W杯の日の丸メンバーや、憧れのヤクルト石川に負けない活躍をすると誓った。

 この夏甲子園を沸かせた成田が、今度はロッテの星になる。期待は予想以上に大きかった。この日あいさつに訪れた永野チーフスカウトは成田の武器である縦のスライダーを「一級」。プロでも通用する球だと太鼓判を押した。「伊東監督の構想では先発ということなので、本人には『3年後といわずに、来年からいけるようにしっかり調整してくれ』と言いました」と話した。

 大きな期待に、成田も居住まいを正した。「制球力が大切になってくると思うので、しっかり走りこみをしていきたい。下半身を鍛え、しっかり体作りをしたい」。プロ入りを見据え、今も毎日ポール間ダッシュとキャッチボールを欠かさない。「練習が大事」と何度も繰り返した。プロですぐに活躍したい、熱い気持ちが胸にある。

 U18W杯で一緒に日の丸を背負った仲間が、今度はライバルになる。一番対戦したいバッターに挙げたのは楽天1位の関東第一・オコエ瑠偉(18)。ソフトバンク1位の高橋に対しては「自分が早く1軍に上がって活躍したい、という気持ちしかないので負けたくない」。オリックス6位の仙台育英・佐藤世那(18)には「甲子園の借りを返せたら」と負けず嫌いを全開させた。

 違う球団に入っても、秋田商OBのヤクルト石川への憧れは変わらない。石川は左右に投げ分ける軟投派、成田は縦の変化を使う力投型とタイプは違う。ただ、小さな体をハンディとせず、プロで144勝を挙げている大先輩の姿は、何よりの目標だった。「まだ現役ですが、石川さんの記録を超えられるようにがんばりたいです」と、変わらぬ目標に向かっていく。【高場泉穂】

 ◆名前に「成」がつくロッテ選手 修徳高出身で「下町のエース」と呼ばれた成田文男投手は、69年にノーヒットノーラン達成、70、73年に最多勝に輝くなど通算175勝。成本年秀投手は96年最優秀救援投手。成瀬善久投手(現ヤクルト)は16勝1敗の07年に最優秀防御率、最高勝率。横手投げの成重春生投手は、74年に公式戦未勝利ながら日本シリーズで勝利投手。9回2死から2度ノーヒットノーランを逃した仁科時成投手もいる。