今年から年1度の開催となり、47選手が参加。ソフトバンクの来季育成契約更新を断った白根尚貴内野手(22)が、シート打撃で長打2本を含む3安打と自慢の打撃力をアピールした。

 退路を断った白根が、根性を見せた。楽天藤江と対戦した第1打席。122メートルの中堅フェンスを直撃する二塁打を放った。第3打席はロッテ上野から右中間へ三塁打。第6打席でも中前打と3安打の大当たり。「長所である長打が出てよかった。自分からタンカを切って出てきて、ノーヒットでは情けない。強く振るという思い描いたイメージが出せた」と満足そうに引き揚げた。

 開星高時代は体重105キロの太め体形ながら甲子園で活躍し「島根のジャイアン」と人気を集めた。11年ドラフト4位で入団も、今季から育成契約に変更。来季も育成枠で契約延長を提示されたが「残ってモヤモヤした思いで野球をするより、派手に玉砕した方がいい」と自ら退団を選択した。「居残り練習もせず、センスだけで野球をやっていた」高校時代から一転。現在は体脂肪率11~12%、体重90キロというスリムな体でグラウンドを駆け回った。

 視察に訪れた関係者も高評価を与えた。ヤクルト小川SDは「すごく魅力ある選手という印象」。DeNA高田GMは「内容も良かったし、甲子園から体がずいぶん引き締まった」と絶賛。出木杉くんに変身した元ジャイアンは、野球人生を懸けた舞台で猛アピールに成功した。【斎藤直樹】