ギータが、また1つ快挙を達成だ。「2015ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、東京都内で発表され、「トリプルスリー」が「爆買い」とともに年間大賞に選ばれた。今季トリプルスリーを達成したソフトバンク柳田悠岐外野手(27)ヤクルト山田哲人内野手(23)の両選手は表彰式に参加。柳田からは「タイトル料に入れてもらおうかな?」と、珍要求案まで飛び出した。

 トリプルスリーを達成し、プロ野球界に強烈なインパクトを与えた男に、驚きの知らせが届いた。予想もしなかった流行語大賞受賞。緊張の面持ちでいた控室で事実を伝えられると、柳田は思わず目を丸くした。

 「うそでしょ? テレビで毎年見ていたけど、まさか選ばれるなんて不思議です。(大賞は)『まいにち、修造!』だと思っていた。正直、頭がよさそうな人ばかりで、場違いやな、と思いました。緊張しました。これは(山田)哲人のおかげです。一生の宝物がまた1つ増えました」

 今季、打率3割6分3厘、34本塁打、32盗塁でトリプルスリーを達成。MVP、首位打者、ベストナイン、ゴールデングラブ賞などを獲得したが、そのタイトルラッシュのラストにふさわしい? 快挙まで待っていた。「五郎丸(ポーズ)」や「エンブレム」など、世間を賑わしたライバルワードを抑え、新たな勲章を手にした。

 91年に同賞の年間大賞が設けられて以来、球界からの受賞は過去、イチロー、仰木彬、野茂英雄、長嶋茂雄、佐々木主浩、上原浩治、松坂大輔の7人だけ。99年の「雑草魂」(上原)「リベンジ」(松坂)以来16年ぶりの受賞となった。野球界にとどまらない栄誉に「これでトリプルスリーって何だろうと思っていた人にも覚えてもらえたと思う。もっと野球ファンを増やして、球場に足を運んでいただきたい」と、笑顔をみせた。

 ちなみに、ソフトバンクからは孫正義オーナーも01年に「ブロードバンド」でトップ10入りを果たしているが、こちらは大賞受賞を逃している。ソフトバンク初の吉報に、柳田は「そこは恐縮です」としながら、ギータらしい珍アイデアも浮かんだようだ。年俸9000万円(金額は推定)からの大幅アップが予想される契約更改交渉を前に「タイトル料に入れてもらおうかな…」とニヤリ。ちゃっかりお願いすることも忘れなかった。【福岡吉央】