現役を引退した中日和田一浩外野手(43)を分析。 

 6月に通算2000安打を達成した和田がユニホームを脱いだ。2000本を打った年に現役引退は、独立リーグ移籍のラミレス(DeNA)を含め8人目になる。

 42歳11カ月で2000安打達成は谷繁(中日)の42歳4カ月を抜く最年長記録となり、大学、社会人を経由では古田(ヤクルト)宮本(ヤクルト)に次いで3人目。和田が初めて規定打席に到達したのは30歳の02年で、20代で1度も規定打席に到達していない選手が2000安打したのは初めてだった。

 和田の通算打率は3割3厘。3割をキープして引退した。通算5000打数以上の打率ランキングでは10位となり、右打者では落合(日本ハム)内川(ソフトバンク)長嶋(巨人)に次ぐ高打率だ。40歳を迎えた12年6月19日以降の成績が1301打数369安打の打率2割8分4厘。遅咲きの選手らしく、40代になっても急激に打率は落ちなかった。40代で通算1000打数以上は10人いるが、和田の打率は戸倉(阪急)門田(ダイエー)に次いで3位。40代の通算打率では落合を1厘上回った。

 今季の打率は2割9分8厘で、あと1本打っていれば3割を超えていた。通算2000安打以上した選手の現役最終年の打率を見ると、和田の打率は5番目に高い。上位4人は打数の少ない選手で、200打数以上では最も高かった。通算1000安打以上の選手(外国人選手は除く)を見ても、現役最終年に200打数以上で和田より高打率は59年大下(西鉄=3割3厘)しかおらず、この打率を残せて引退はもったいない。今季のセ・リーグで200打数以上記録した51人中、和田の打率は5位で、中日ではトップ。200打数以上のチーム最高打率選手が引退は、58年大洋の児玉(打率2割7分8厘)以来、57年ぶりの珍事となった。【伊藤友一】