日本ハム栗山英樹監督(54)が来季の選手操縦法に、日本古来の伝統芸能をモチーフにすることを決めた。22日に、北海道テレビの朝の人気情報番組「イチオシ! モーニング」にゲスト出演。来季狙う巻き返しのキーワードに「離見の見(りけんのけん)」を設定した。能を確立させた1人で、伝説の猿楽師・世阿弥(ぜあみ)の残した名言に今オフ、傾倒しタクトに生かす。

 難解なヒントを得て、心を躍らせていた。見つけた「離見の見」の真意に、野球を投影した。要約すれば思考、視点の転換。栗山監督自身を含め、第三者のような観点からチームを見て、適切に動かしていく意識の変化が狙いだ。「引いて見てみると、分かることがある。それを言葉にして、行動したいんだよね」。

 不必要に入り込まず、客観的に適切な判断をする重要性を説く。「能も野球も一緒。見ている人たちに感動できる動きができるか。例えば当たり前だけれど、守備位置に就く時に全力疾走できているか、とか」。栗山監督自身の采配、選手のプレーも含め、その観点で新発見できる課題を都度、つぶしていく。世阿弥の教えを実践し、課題をクリアしながら勝負の1年へ乗り込む。【高山通史】