阪神金本知憲監督(47)が来季の4番筆頭候補のマウロ・ゴメス内野手(31)の打撃改造を計画している。来日2年目の今季は打率2割7分1厘、17本塁打、72打点と3部門すべて昨季より成績を落とした。新監督は原因として相手の「内角攻め」に言及。ステップ幅が広がりすぎたと指摘した。弱点を克服し、真の大砲を目指す。

 かつての長距離砲らしい視点で、悩めるゴメスの再生に挑む。来季の逆襲を期す金本阪神にとって脅威的な4番は欠かせない。金本監督はゴメスの現状を気にかけていた。今季まで評論家としてネット越しに打撃をチェック。来日2年目の不振の原因を問われると「やっぱりインサイドを攻められたからよ」と断じた。

 10月下旬、ゴメスが母国ドミニカ共和国に帰国する前に直接、話し合う機会があった。「日本は弱点を見つけたら、そこを攻めてくるから、どんどん対応していかないとダメだ」と指摘し、ゴメスもうなずいて聞いていたという。「年内に打撃練習を再開する」と明かす球団関係者もいる。

 金本監督は技術的なポイントも指摘している。「インサイドを攻められて、ステップ幅が広すぎる。三塁線のファウル、三塁線への二塁打が1年目よりも減ったよね。アルプススタンドの方へバーンとでかいファウルを打っていたけど、うまくフェアゾーンへ入れたら、すごいバッターになると思っていた」。内角球に対応しようと意識しすぎると、左足の踏み込みが大きくなりすぎて、左肩も開いてしまう。打撃フォームを崩され、凡打の山を築いてしまった。いかに内角球をとらえるかがポイントだ。

 1年目は内角球を引っ張り、三塁側スタンドに豪快なファウルを何度も放っていた。あの大飛球がインフィールドに飛べば…。金本監督は「たまに入ったのが三塁線二塁打になったりとか。(今季は)あそこに詰まってボテボテというのが多かった」。すでに、鳥谷、福留とともに来季のレギュラーを明言している。ゴメスも「帰国前に金本監督から言われた通り、しっかりトレーニングをしています。来季がベストイヤーになるように頑張ります」と話す。大砲再生のチャレンジは始まっている。