ギータワールド全開で新年が始まった。ソフトバンク柳田悠岐外野手(27)が6日、バット1本を手に福岡空港に現れ、オリックス糸井との自主トレのため米国・グアムへ出発した。同便の松田にはメジャーネタで苦笑させた。もちろん、野球も全開宣言。昨年オフ手術した右肘の状態も良好で、本塁打と盗塁を40以上ずつ記録する「40-40」へ、パワーアップする。

 まるで侍のようだった。柳田が黒のバットを手に持ち、福岡空港に現れた。「バットは1本で十分。ティーと素振りしかしないので」。右肘手術の影響で、バットスイングは年末にようやく解禁したばかり。暖かいグアムで思い切り振れるのを待ち切れない様子だった。しっかり振り込み、下旬に福岡へ戻った後にマシン打撃を行い、キャンプへ備える。

 空港では同じ便でグアムへ出発する松田と今年初顔合わせ。松田が「あけおめ、ことよろ~」と近づくと柳田は「軽っ」と爆笑。続けて「メジャーいかんかったっすね」と、海外FA権を行使しメジャーも視野にしていたが残留した松田にド直球を投げ込んだ。これには松田も苦笑い。残ってくれたチームリーダーを歓迎した。

 昨年までは12月に筋力トレーニング、1月に走り込んでいたが、右肘手術の影響で今年は逆。グアムで筋肉に負荷をかけ、シーズンを戦い抜く肉体を作り上げる。前日5日には30メートルの距離でキャッチボールしても肘に痛みはなかった。

 今年で3年目となる糸井との自主トレ。何を学びたいかを問われると真っ先に「トーク力ですね」と挙げた。自由な発想で発言する糸井の姿は、もっとマイクパフォーマンスを鍛えたいという柳田には刺激となる。超人的な瞬発力も間近で学ぶ。「トップスピードに入るのが速い。すぐに100の力が出る。追いつこうと思う」。40盗塁のためにも走塁技術の向上は不可欠。初めてのグアムでギータがさらに進化する。【石橋隆雄】