ウイスキーのように味わい深い捕手になる。楽天ドラフト6位足立祐一捕手(26=パナソニック)が15日、宮城・仙台市内のニッカウヰスキー仙台工場を見学した。びっしりと並べられたたるを興味深く見つめた。「プロの世界で熟成して、深みを増したい。奥深さのあるプレーができるよう」と自らを原酒が熟成されていく様に例えた。

 未来を重ねた。たるに詰められたばかりの原酒は荒々しい香りだが、20年物は円熟味のある柔らかさが出る。プロ野球選手も同様だ。「年齢を重ねれば重ねるほど、深みがあるし、学ぶことがある」と配球は場数を踏むことで変化する。新人最年長の26歳は社会人の侍ジャパンも経験。「高く抜けた球も捕れますよ」と“ハイボール”も得意な高い技術に磨きをかける。

 目指すは「ヒゲのおじさん」だ。同社のシンボルで「KING OF BLENDERS(ブレンドの王様)」と呼ばれるおなじみのキャラクター。数百種類の香りをかぎ分けられた「W・P・ローリー」がモチーフだ。捕手も何十人もの投手の球筋やクセを把握し、リードしていかなければならない。「投手の状態を知るのは重要。コミュニケーションを取っていく」と熟練者になるつもりだ。

 この日で新人合同自主トレの第1クールは終了。「朝起きて、ずっと野球ができる。キツさの中に楽しさがある」と充実感たっぷりに振り返った。キャンプに向け、フレッシュに汗を流していく。【島根純】