「熱男」の仕上げは寮生活で!? ソフトバンク松田宣浩内野手(32)が、今日16日から母校の亜大で自主トレを行う。大学時代と同じように寮の4人部屋でOBの東浜らと寝泊まり。厳しく鍛え上げた大学時代を思い出し、プロ11年目のキャンプに備える。15日はヤフオクドームで年俸4億円で更改。4年総額16億円プラス出来高で正式契約した。(金額は推定)

 チームトップの4億円選手になっても松田はブレない。今年もグアムで鍛え上げた後は母校亜大へ。「寮に入りますよ。近くにはホテルもないですから」。東京・日の出町のグラウンドに隣接した選手寮のゲストルームに今年も寝泊まりする。客用といっても現役の亜大選手たちと同じ4人1部屋。同大学OBの東浜、高田、オリックス宮崎の後輩3人と2段ベッドに寝るという。

 亜大関係者は「10畳ほどの部屋にベッドが2段で4つ。もう6、7年、松田はこの時期に来ていますね。プロ野球選手が2段ベッドに並ぶなんてそう見ない珍しい光景ですよね」と話す。

 東都の強豪で、練習も上下関係も厳しいことで有名な亜大。松田が過ごした4年間は試練の時だった。1年から4番を打つなど活躍も、元部員の不祥事により3年の冬から半年間の活動禁止、4年春は自動2部降格も味わった。それでも、松田は1年から4年まで早朝の草むしりから練習後のグラウンド整備まで常にグラウンドに立ち続けた。4年では主将に就任。リーダーとしての原点でもある。

 亜大のグラウンド、寮を使用し、スターになった自分をおごらず、気を引き締め続ける。東浜やDeNA山崎康ら若手投手も同グラウンドで練習するが、「(現役投手の)生きた球はいらない」と、対戦はしない。同大学出身の寺地打撃投手やマシンを相手に振り込み、フォームを固める。1週間ほどの亜大合宿でV3の先頭を突っ張るための新たな力を注入する。【石橋隆雄】