“閉”幕1軍への第1歩を踏み出した。ヤクルトのドラフト1位、原樹理投手(22=東洋大)が17日、戸田球場での新人合同自主トレで初めてブルペン入りした。セットポジションやクイックを交え、捕手を立たせた状態で30球。「まずまず良かった」と笑顔を見せた。

 すごみはない。酒井担当スカウトは「ブルペンで力を発揮するタイプじゃない」と証言する。スライダーやシュートの曲げ方、フォークの挟み方、すべて試合の中で感覚的に微調整する実戦タイプ。力試しに、うってつけの相手がいる。

 東洋大姫路2年時、練習試合で左翼へ特大場外弾を打たれた。当時履正社3年の山田だった。あれから5年。「体重も14キロ増えて、全体的にレベルアップした。今の方が断然いい。対戦してトップのレベルを肌で感じてみたい」。1軍キャンプに内定しており、紅白戦で再戦も可能だ。

 トリプルスリー達成者を抑えればアピールになる。山田封じでたぐり寄せたいのは開幕1軍、ではない。「最初1軍にいても、2年目に消える投手は多い。チームの力になるには開幕だけじゃなく、シーズン最後まで1軍にいることだと思ったんです」。だから目標は「閉幕1軍」。開幕はゴールではない。早く投げ込みたい焦りを抑え、1クールに1度ブルペン入りするペースで、じっくり調整を続けていく。【鎌田良美】