巨人にも琴奨菊がいた!? 大竹寛投手(32)が25日、日本出身力士で10年ぶり優勝を果たした大関と似ていると言われることを告白。昨年から「横顔が似ている」とチーム内でひそかに評判となっており、実は同学年、美人妻など共通点は多々あった。「ラーメンマン」「マスオさん」などの異名を持つ大竹は、春季キャンプは2軍スタート。先発陣には外国人“横綱”がひしめくが、そっくりパワーで、うっちゃりローテ入りを果たす。

 大竹の笑い顔は、角界のヒーローそっくりだった。大関琴奨菊と似ているのではと聞かれると、しばしの沈黙後、照れくさそうに目尻を下げた。「去年に内海さんから横顔が似ていると言われてて…ずっと注目していました」。千秋楽前日には、内海から「明日は大事な取組だから頑張れよ」との愛嬌(あいきょう)あるメッセージが届いた。それほどチーム内で浸透していた。「似てないと思うんですけどねえ」との困り顔も大関と同じで憎めない。

 境遇も類似する。同学年の琴奨菊は13年に右大胸筋を断裂。その後も状態が安定せず、昨年は負け越せば大関陥落の「かど番」を2度経験。「ダメ大関」のレッテルを貼られた時期もあった。肉体改造と祐未夫人の支えを受けて乗り越え、初場所で快挙を達成した。

 大竹も同じ道をたどる。一昨年9月に右肩を痛め、昨季も状態が上向かず3勝に終わった。春季キャンプは2軍スタート。投手陣の柱にと期待され、14年に広島からFAで加入した“大関”は今、「かど番」の苦境に立たされた。今オフは、プロ入り後初の下半身強化に着手。食事面など杏里夫人の内助の功も受け、徹底的に鍛え直している。

 だからこそ琴奨菊の優勝は胸に響いた。塩まきの直前に腕を広げて腰を反る「菊バウアー」のようなルーティンこそないが、目の前の取組に全力を注ぐ姿勢は同じ。「大相撲は好きでちょくちょく見ます。日本出身力士が優勝したのはすごいし、うれしい。同学年ということで励みになる」とうなずいた。

 先発陣には外国人の“横綱”が立ちはだかる。昨季13勝3敗の“白鵬”マイコラスと、阪神戦5勝を含む同8勝の“日馬富士”ポレダ。「1軍で投げないと戦力になれない。オフはそう思って練習してきた。しっかり練習して状態を上げていく」と引き締めた。2月1日の“宮崎場所”初日にブルペン入り予定。2軍からの猛アピールで、ライバルたちをがぶり寄る。【浜本卓也】

<大竹の異名>

 ◆ラーメンマン 広島時代からラーメン通として有名。濃厚なスープが特長の「家系、二郎系」がお気に入り。2軍暮らしが多かった昨季にも、ラーメンを食べてリラックスしていた。

 ◆マスオさん 移籍直後の14年3月、財界人が中心となったチームの激励会「燦燦(さんさん)会」でのインタビュー。「アニメ・サザエさんより。マスオさんの声」と切り出すと、「まいったな~」とマスオさんのごとく声をひっくり返し、大爆笑を誘った。