元プロ野球選手で、西武や巨人などで活躍した清原和博容疑者(48)が2日夜、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、警視庁に現行犯逮捕された。逮捕容疑は港区内の自宅マンションで、覚せい剤約0・1グラムを所持していた疑い。「覚せい剤は私の物に間違いありません」と、話しているという。同容疑者はこれまでにも、週刊誌で薬物使用疑惑による緊急入院が報じられてきた。大阪・PL学園高では、甲子園に5季連続出場。プロ野球でも活躍した元スター選手だけに、球界には大きな衝撃が走った。社会的にも、波紋を広げそうだ。

 警視庁によると、逮捕容疑は、2日午後8時48分ごろ、港区東麻布1丁目の自宅マンションで、覚せい剤約0・1グラムを所持していた疑い。清原容疑者は、容疑を認めているという。

 警視庁は同日、自宅を家宅捜索した。

 清原容疑者は2日午後11時すぎ、捜査員らしき複数の人物に囲まれて、自宅から出てきた。TBS「ニュース23」が逮捕を報じた。家宅捜索を受けた直後だったとみられる。清原容疑者は丸刈りにグレーのシャツ姿。表情を変えず、時折、うつむきながら歩いていた。

 清原容疑者は、大阪・PL学園で甲子園に5季連続出場し、通算13本塁打で優勝2度、準優勝2度。エースだった桑田真澄氏とともに、「KKコンビ」として人気者になった。85年のドラフト1位で西武に入団し、新人王を獲得。96年オフに巨人に移籍し、08年に現役を引退した。首位打者を含めた打撃主要3部門のタイトルはなく、「無冠の帝王」とも言われた。

 「番長」とも呼ばれ、球界で活躍した半面、引退後は、薬物使用疑惑などが、週刊誌で報じられた。

 14年3月、清原容疑者が都内の病院に緊急入院したと、週刊文春が報道。同誌は当時、「現在、薬物使用の影響による副作用に苦しんでいる」などと指摘。清原容疑者が一時的に、病院の外に出た際、直撃すると「よどんだ目つきで宙を見上げ、口元は半開きのままだった」とも報じた。

 仕事上のトラブルなどで、仕事が行き詰まったことや、夫婦関係の冷え込みが原因ではないかとの見方も示していた。清原容疑者はこの報道が出た後の同年9月に、夫人と離婚している。

 同容疑者の事務所は当時、文春記事に対する反論のコメントを発表。入院は糖尿病の治療のためとして、法的手段を通じた抗議を検討すると主張していた。清原容疑者本人も、テレビのバラエティー番組に出演した際、薬物使用疑惑を否定していた。

 清原容疑者は先月11日、ヤフオクドームで行われた名球会のイベントに参加。佐々木主浩氏らと対決して2打数2安打で、ガッツポーズもみせた。

 元スター選手の薬物使用による逮捕は、今後各方面に影響が広がりそうだ。

 ◆清原和博(きよはら・かずひろ)1967年(昭42)8月18日、大阪府岸和田市出身。PL学園高1年から4番を打ち、桑田(巨人)とともに5季連続で甲子園に出場。通算13本塁打を放ち、優勝2度、準優勝2度。85年ドラフト1位で西武入団。1年目から4番に座り打率3割4厘、31本塁打、78打点で新人王。96年オフにFA権を行使して巨人に移籍。西武と巨人で通算10度のリーグ優勝と8度の日本シリーズ制覇に貢献した。05年オフに自由契約でオリックス移籍。08年限りで引退。通算成績は2338試合、2122安打、525本塁打、1530打点。現役時代は188センチ、104キロ。右投げ右打ち。