今年の「ボブ」は、困ってなくても投げますよ~! パ・リーグ最年長日本人投手となった楽天川井貴志投手(39)が8日、久米島2軍キャンプで、愛称を返上し、先発ローテでのフル回転を誓った。星野SDの監督時代、谷間で投げるたびに「困った時のボブ」と呼ばれた。「これまでは先発に困ったチームを助ける役割に生きる道を見つけてきましたが、そこに甘えている自分に気づいた。もうスポット登板は嫌。通年の活躍を目指したい」と言い切った。

 不惑のローテ奪取計画が始まっている。「いつも昇格3試合目以降でパフォーマンスが落ちる」。昨秋からは、スポット登板前提の土台づくりを一新。この日もブルペンで今キャンプ最多の101球、ロングティー51スイング、アメリカンノック20捕球、ウエートトレ約1時間と、若手も悲鳴を上げる濃密メニューを消化した。「体はパンパン。でも最大筋力は鍛えないと落ちていく。ブルペンは常に全力で投げて、球数も増やした。通年を投げられる肩と肘のスタミナをつくるんです」。決意は本物だ。

 何があっても手を抜かない。練習姿勢が若手の生きた教材となり、積み上げたプロ生活は18年目を数えた。「僕、すごいマイナス思考で。ケガしたり打たれたら次の試合が最後になるかもしれませんよね。そう思うから練習も試合も、悔いを残せないんです」と笑う。目の前の一瞬に全霊を尽くす姿勢が染みついている。「最年長になってもやることは同じ。過去の自分を超えたいですね」。40歳シーズンに挑むのは、まずは03年以来の自己タイ4勝を超え、さらに12勝で通算40勝。トリプル4だ。【松本岳志】