いきなり2安打! 右肘手術明けのソフトバンク柳田悠岐外野手(27)が10日、B組のシート打撃に参加し、3打席で2安打を放った。まだ送球に不安がありA組に戻るのは先になりそうだが、早ければ15日の練習試合、社会人パナソニック戦(生目の杜第2)で指名打者として実戦復帰する。

 柳田がファームの選手たちに格の違いを見せた。まずは1打席目、実績のある10年目左腕山田の2球目直球を「フンッ」と声を上げフルスイングでとらえると、ライナーで中堅前へ。二塁走者を楽々迎え入れた。

 2打席目は6年目左腕坂田に二ゴロ併殺ながら、走者2人を置いた第3打席では2年目左腕笠谷の外角直球を逆らわずに左前へ低いライナーではじき返し2点適時打。練習とはいえ2安打3打点。打撃は問題ないことをあらためて示した。「まだまだです。打球というよりまずは感覚の問題。投手と打者の距離とか。もっと打てるようにしたい」と話した。

 練習の最後はロングティー。49本柵越えし、最後は本塁後方からバックスクリーンへ挑戦。4球目でバックスクリーンの真ん中へ「ドンッ」とぶち当てた。「当たる音が気持ちいい」。追い風ながら130メートル弾を放つなど、年間40本塁打へ向け長打力も磨いている。

 ただ、右肘の状態はまだまだだ。「寒いと痛い。今も強くは投げているが、いろんな動きの中でやるので」と話し、キャッチボールの距離も50メートルからなかなか延びない。B組を視察に来た工藤監督、鳥井田リハビリ担当と3人で話す場面もあった。工藤監督も「(肘の状態が)上がってくると必ず落ちてくる。そこは気をつけて」と無理をさせない方針だ。

 A組復帰への目安はシートノックなどで実際に守れるようになってから。そこまでは、B組での調整を続ける。15日にはB組と社会人パナソニックの練習試合が組まれている。まだ守れないが、実戦感覚を養うために指名打者として打席に立つ可能性が高い。開幕へ向け我慢の準備を続ける。【石橋隆雄】

<柳田の今キャンプ>

 ◆1日 B組の練習場、生目の杜第2球場で、フリー打撃とロングティーでいきなり計103発のサク越え。ファンに打球が当たる危険性があるため、A組移動が浮上。

 ◆2日 打撃練習だけA組に部分合流した。フリー打撃は50スイングで8本の柵越え。うち1本は推定130メートルの場外弾。キャッチボールの距離も50メートルに。

 ◆3日 B組恒例の朝の声出しに初挑戦。トリプルスリーを持ち出し「心残りは山田哲人が達成したことです。1人で達成して騒がれたかった」と笑わせた。

 ◆5日 ランチ特打でファンを沸かせ、帰り際に即席サイン会をすると人波に押され大混雑。かわいい高い声で「ギータじゃないよ」と別人を装い、バスへ乗り込んだ。

 ◆7日 育成吉本(11年ドラフト2位で下町のダルビッシュと言われた剛腕)と真剣勝負。すべて直球。20球ほどで柵越えを5本放った。