阪神期待の高卒3年目横田慎太郎外野手(20)がプロ初安打をマークした。2試合連続で「2番中堅」でスタメン出場。5回1死、カウント1-2から中日山井の変化球にバットを合わせると打球は遊撃へ。わずかに握り損ねる間に、一塁へ思い切り走り込んで内野安打を勝ち取った。ゴメスの3ランなど大量4点を奪うビッグイニングの起点になった。

 「うれしかったです。2打席凡退して、追い込まれていたのであれしかないかなという思いもあった。初安打は自分ではちょっと遅いかなと思います。(記念の)ボールはもらっていません。どっかいきました」

 ロッテで外野手として活躍した横田真之さんの長男として期待されてのプロ入り。2軍では持ち前のパワーを見せていたが、1軍の壁は厚かった。金本監督の就任で飛躍し、開幕スタメンから2試合目でのうれしい初安打となった。

 6回にも左腕ジョーダンから外角ボール気味の球を三遊間に流し打ち、2安打目。地元・鹿児島からスタンドに駆けつけた母まなみさん、姉真子さんが見守る前で活躍した。

 ガムシャラさが身上だがやり過ぎの場面もあった。2安打目で一塁に出ていた6回無死一、三塁。3番ヘイグの左飛で二塁へ暴走気味のタッチアップをして、簡単に刺された。

 「次の打者のことを考えれば、あれは反省しないと。よく考えてやっていきたい」。本人は真剣に振り返ったが、そんなムチャも許されるのが今の横田だ。若手が出てこないと言われ続けるチームにあって、この男が成長すれば未来は明るくなる。【編集委員・高原寿夫】