桜島に続き、阿蘇山にも大勝をささげた。ソフトバンクが開幕13戦目で今季初の連勝。5カード目で初の勝ち越しを決めた。13得点した前日9日に続き10点を奪い、2年ぶりに2日連続2桁得点。試合球に人気キャラクター「くまモン」がプリントされた一戦。2番今宮、3番柳田を中心に、打ち出したら止まらないもん! 攻撃を展開した。

 熊本のファンを沸かせたのは、今宮、柳田の2、3番コンビだ。1回1死から連打でチャンスを広げ、内川の犠飛で先制した。5回には1死二、三塁から今宮が犠飛を放つと、柳田も内角球に食らいつき、左翼線への適時二塁打。2戦連続2桁得点への道を切り開く2点追加を決めた。

 工藤監督も5回の2点に目を細める。「今宮の犠飛、その後の柳田の3点目は非常に大きかった。下からつながって上位にいくと点にも絡むし大量点にもなる」。今宮の仕事人ぶりは終わらない。6回には1死一、三塁から犠飛を放ち、7回にも右前2点適時打。自己最多タイの4打点をマーク。

 開幕時は8番ながら、2日の日本ハム戦から2番を任されている。2番昇格後、打率3割3分3厘と絶好調。つなぎに加え、ポイントゲッターとしての仕事も果たし「いいタイミングで打席に入れている。これをしっかり続けていきたい」と声を弾ませた。

 打率1割台に低迷していた柳田にも復調の兆しが見えてきた。相手が1発を警戒し、開幕から厳しい攻めが続いている中、内角球をさばいて2安打。3回の四球で、開幕から13試合連続四球と2リーグ分立後のプロ野球新記録をまた更新した。「打ててよかった。食らいつきました。四球も、チャンスが広がって勝ちにつながるならいい」とほほ笑んだ。

 大勝の連勝で、借金は再び1に減り、4位に浮上。3連覇を目指す長い旅路は、鹿児島、熊本の「九州新幹線シリーズ」で弾みがついた。【福岡吉央】

 ▼ソフトバンクの2試合連続2桁得点は、14年6月4日巨人戦13-5、6日広島戦10-3、7日同戦16-5の3試合連続以来、2年ぶり。