まさかの結末で中日の連勝は4で止まった。9回、1点差に迫られ、なお2死一塁の場面で、ベンチが動いた。ナゴヤドームにコールされたのは岩瀬仁紀投手(41)だった。ドーム内には岩瀬コールが響き渡ったが、無情にも結果は最悪のものになってしまった。

 球は高めに浮いた。代打荒木に2球目を右前打。今季4試合目で初の被安打を食らった直後の2死一、二塁。8番中村への初球だった。宝刀スライダーを捉えられ、左翼スタンドへ運ばれた。2年ぶりのセーブを挙げる機会だったが、逆に2年ぶりの黒星。インフルエンザで前日22日のヤクルト戦を欠場した谷繁監督の復帰戦は、勝利まであと1死のところで暗転した。

 指揮官は「最後のアウトを取りにいった。結果は取れなかった。3球で決着つきましたからね」。わずか3球で急転直下。岩瀬は「準備不足ということはない。本塁打は頭になかったけど、結果打たれた。期待に応えられなかったので、結果を出すだけ」と淡々と語った。

 昨年10月に右肘手術を受けた先発吉見の復活勝利もお預けとなった。苦しみながら試合をつくり、6回途中3失点。2者連続四球を与えたところで交代し、今季最多の105球を投じた右腕は「投げきりたかった。先は見ていないですが…。あの回は冷静に投げていたつもりですが、相手が一枚上手だった。もっとボールの出し入れができれば良かった」。再び登板間隔を空けるため、今日24日に出場選手登録を抹消される見込みだ。

 勝っていれば、巨人が敗れたため同率首位に並んでいたが、それも夢と消えた暗転だった。【宮崎えり子】