DeNA井納翔一投手(29)がマウンドに込めた決意を体現した。新しいルーティーンとして今季開幕戦から、投球前にマウンドにテーマを書き込む“マウンド作文”。

 この日は1回に「闘う」、味方から援護を受けた4回は「攻める」。終盤戦に入る6回も再び「攻める」と記し、最終登板イニングの7回は「勝つ」と筆圧を強めた。完封した23日巨人戦に続く好投で7回を被安打3、無失点で今季3勝目をマークした。

 文字で書くことで自身の心境を整理している。井納は登板後、「書くことが一番、自分自身への戒めになる。藤川さんがいい投球をしていたので、なんとか1点を守り切るつもりで投げた。だからこそ、4回は『攻める』気持ちを持つことが大事だった」と明かした。

 ベンチも明確な采配で戦い方を示した。4回に関根大気外野手(20)がチーム初安打で出塁。1死後に乙坂智外野手(22)が四球を選び、1死一、二塁とすると、アレックス・ラミレス監督(41)は重盗を指示。打者に集中する阪神バッテリーのすきを付き、1死二、三塁と好機を拡大させると、ホセ・ロペス内野手(32)の左犠飛で先制に成功した。試合前の時点で12球団最少の3盗塁だっただけに今後の戦いを見据えた活路にもなった。

 連敗を2で止め、借金は9に戻した。この日、1軍に昇格させた関根、1号ソロを放った宮崎の活躍も好材料。「これからもこういう活躍が必要」と指揮官が大きくうなずいた。