オッス、オラ勇人! 広島、おめえ強そうだな。よ~し、棒よ伸びろ~!

 両軍無得点の6回2死三塁。巨人坂本は、広島九里に追い詰められた。フルカウントからの7球目。外角低めに鋭く曲がる。如意棒さながらバットを伸ばし、何とかファウルに逃れた。すると、次の直球が真ん中へ。逃さず“かめはめ波”だ! 低弾道で三遊間を割って先制打。熱いバトルを制し「ファウルがあったから、最後、いい結果になった。エースが投げる試合は負けられない」と喜んだ。

 少年少女の憧れの的になった坂本にも、ヒーローがいた。「ドラゴンボールの孫悟空です!」。努力を重ね、成長し、仲間と地球を守るために戦う。物語の続きにドキドキしながら、漫画のページをめくった。

 大人になった今、孫悟空のように、戦いの日々に身を置く。だが1人じゃない。菅野の後ろ姿に「後輩ながらすごいなと」と頼もしく感じた。打席での“戦闘中”も「勇人~!」との声援が耳に届いていた。お立ち台から「多くの子供たちが足を運んでくれて力になります!」と感謝した。“天下一武道会”制覇というV奪還を託された“勇人悟空”には、最高の仲間たちがいる。【浜本卓也】