仙台大のプロ注目スラッガー松本桃太郎内野手(4年=北海)がリーグ史上4人目の通算100安打を達成した。0-0で迎えたタイブレークの延長10回表1死満塁、右前に2点適時打を放ち、ついに大台に乗せた。チームも4-2で東北学院大に先勝し、勝ち点獲得に王手をかけた。

 13年秋に史上初の1年生3冠に輝き、MVP(最優秀選手賞)も獲得した松本が、また1つリーグ史に残る勲章を追加した。大学OB安田尚造(28=JR東日本東北)に並ぶ歴代3位タイの100安打達成。第5打席の延長10回表、勝利につながる殊勲打を放ち達成した松本は「試合に勝つことが一番でした。プレッシャーはなかったけれど、いろいろと言われていたので気持ちがすごく楽になりました」と笑顔を見せた。

 王手をかけた宮城教育大戦から7打席ぶりのヒット。25年ぶりのリーグ記録(114本)更新を狙う松本にとっては通過点と考えていたが、苦しんだ。森本吉謙監督(41)は「100本よりもチームが勝てる1本が大事。状況に左右されずに普段通りのパフォーマンスができるのがすごいところ」と信頼する。

 動体視力を高めるために、打席でバットを突き出すイチロー(マーリンズ)ばりのルーティンを今季からやめた。近くと遠くを交互に見て目の動きを良くする動作だったが、「自分の間合いで自分のスイングをすることが大事」と自然体を選択。森本監督も「間の取り方がうまくなった」と評価する。

 今季開幕後はホームラン性の打球を飛ばすための角度のつけ方も習得。すでに3本塁打を放ち、自身3度目になる本塁打王の獲得条件を満たしている。11月11日生まれで背番号1と何でも「1番」が大好きだ。「記録を更新すればリーグを代表するバッターとして認められると思う」。まずは春3連覇。憧れのプロ指名は、その先にある。【佐々木雄高】

 ◆松本桃太郎(まつもと・ももたろう)1994年(平6)11月11日、北海道岩見沢市生まれ。中央小3年から岩見沢CSBで野球を始める。光陵中では札幌新琴似シニアに所属。同3年時は三塁手で全国準優勝。北海では1年秋からベンチ入り。甲子園は2年時(11年)に春夏連続出場し、春8強。仙台大では1年春からレギュラー。同秋は1年生初の打撃3冠でMVP(最優秀選手賞)と特別賞を受賞。全日本大学選手権は昨春まで2年連続出場。家族は両親、兄、妹、弟。右投げ左打ち。177センチ、87キロ。血液型A。