憧れの人を打ち抜いた。楽天オコエが、巨人内海から放った東京ドーム初安打の中越え二塁打に手応えをつかんだ。先頭の6回、真ん中に入った126キロチェンジアップをフルスイング。スピンのかかったライナーが、背走する中堅橋本到のグラブをはじきフェンスに到達した。「昨日から打席の入り方が全部悪かったんですが、内海さんを打てたことでリセットできました」。次戦につながる感触を得た。

 小学6年時にジャイアンツ球場で行ったジャイアンツジュニアの練習中、偶然に内海らと出会った。プロの体格に圧倒され、「すごい」と目を輝かせた大きな存在だった。相手に加え、スタンドがオレンジ一色に染まったビジター戦。3試合連続で1番を託された信頼にも応えたかった。内海からはイースタン・リーグで2安打を放っていたが「これだけのアウェーは久々で、無意識に体が硬くなっていた。5回終了後の時間が空いたときに、もう1度考え直しました」。平常心で臨めるはずがなかった。

 敵地で壁を1つ乗り越え、8回にはマシソンから鋭い当たりの右飛で2戦目を締めくくった。「ああいう打ち取られ方ならいいと思う。最後の2打席でできたことを、明日もやっていきたい」。一戦ごとに収穫を積み上げ、勝負の3連戦最終戦に挑む。【松本岳志】