逆転CSつかむ! 阪神は今日30日から中日2連戦(ナゴヤドーム)に臨む。初戦は阪神藤浪晋太郎投手(22)続いてランディ・メッセンジャー投手(35)が先発する。3連敗中のチームは3位DeNAに3・5ゲーム差の崖っぷち。シーズンも残り1カ月、奪三振や最多勝のタイトルも射程内の2本柱がいよいよフル回転に入る。

 たまった鬱憤(うっぷん)を今晴らさずして、いつ晴らすというのか。3位DeNAに3・5ゲーム差で残り21試合。苦境から虎を救い出せるのは2本柱しかいない。今日からの中日2連戦は藤浪、メッセンジャーの順番でともに中5日先発する。甲子園室内練習場で指名練習を終えると、響き渡る雨音に負けない強さで言葉が続いた。

 藤浪 週の頭。しっかり長いイニングを投げて勝ちにつながる投球をしたい。

 メッセンジャー 3位に入れば、勝ち上がって日本シリーズまでいける。

 先週末は甲子園ヤクルト3連戦に3連敗。それでも藤浪は嫌な流れを「あまり気にしない」。今季は中日戦4試合先発で0勝3敗、防御率4・15。敵地で2戦2敗と苦しんできたが「悪いイメージはない」ときっぱり言い切った。メッセンジャーは5月5日、ナゴヤドームで7回無失点。今回も快投再来を狙う。

 そして、9月はフル回転に入る。中日戦後は中6日以上を保っても藤浪は残り4回、メッセンジャーは3回の先発が可能。中4日、中5日を挟めば藤浪は5回、メッセンジャーは4回投げられる。CS争いが最後までもつれた場合、2人の馬力に頼りたくなる。

 香田投手コーチはこの日、2人の登板間隔について「当然(詰めていく)その可能性もある」と明かした。藤浪は高卒1年目からの4年連続2桁勝利を狙える状況。メッセンジャーは現在11勝で最多勝争いトップに1差。さらに藤浪は151、メッセンジャーは150奪三振でトップ巨人菅野の152を追ってもいる。首脳陣は2人の数字面もサポートする考えだ。

 ただ2人が今、個人記録に目をくれるわけがない。藤浪は2桁星への思いを問われると「あまり深く考えず自分の投球をしたい」。チームのためになるなら何度でも投げる、というスタイルを崩さない。

 藤浪 投げられるなら投げたいですけど。任されたところで投げるだけです。

 メッセンジャー できるだけたくさん投げたい。それが、チームが勝ち続けることにつながると思う。

 がむしゃらにCS進出へ突っ走った先に、タイトルと数字がついてくれば言うことなしだ。【佐井陽介】

 <両エースが達成可能な記録>

 ◆藤浪 高卒1年目からの連続2桁勝利を4年に伸ばすと、鈴木啓示(近鉄)15年、堀内恒夫(巨人)13年、江夏豊(阪神)9年、森安敏明(東映)4年に次ぎドラフト入団5人目。また最多奪三振を獲得すれば、昨年に続き2年連続となる。

 ◆メッセンジャー 最多勝を取れば、2年ぶり2度目。最多奪三振なら、13、14年に次ぎ2年ぶり3度目。また現在の投球回は157回2/3。今季200イニングを超えれば14年208回1/3以来2度目に。