日本ハムのブランドン・レアード内野手(28)が、過去最高の「すし効果」を見せた。来日初の1試合3発&7打点、5安打と大爆発。「最高の1日になった。チームの勝利に貢献できたし、この日のことはきっと忘れないだろう。スシ、パラダイス!」。しゃりを握る恒例のパフォーマンスを乱発した。

 1回1死二塁で“注文”した「一貫目」は低めの変化球を右翼へ。おかわりの「二貫」はどちらも、高めの直球を左翼へ引っ張った。技術と力が融合された3発で昨年を上回る35本塁打。西武メヒアを突き放し、キング争いで一気に独走態勢に入ったが「(タイトルを)取れたらうれしいけど、チームが優勝しないと喜べない」と慢心はない。

 8月は打率2割と苦しんだが、8月31日に転機が訪れた。東京遠征の際、安倍首相がオバマ米大統領を招待したことでも有名になったすしの名店「すきやばし次郎」に、初めて足を踏み入れた。来日前から、同店を舞台にした映画「二郎は鮨の夢を見る」は観賞済み。予約困難でなかなか来店できなかったが、ついに念願かなったのだという。すし店には通い慣れているレアードも、ひと味違う雰囲気と味には驚嘆。関係者には、自身がひそかにつけている「すし店ランキング」で、1位が塗り替わったと興奮気味に話した。翌1日から、本塁打が止まらない。

 レアードを含め、3失策が失点に絡んで敗れた前日から一夜明け、鬱憤(うっぷん)を吹き払う快勝。「チームが一丸となっていいプレーができた」。ソフトバンクにマジックが点灯しているが、まだまだ逆転Vのチャンスはある。締めにはお茶ではなく、ビールかけが待っている。【本間翼】

 ◆すきやばし次郎 東京・銀座の高級すし店。ミシュランガイドで毎年3つ星を獲得し続け、すし職人の小野二郎さん(90)は世界的に有名。14年に安倍首相が米オバマ大統領を招き、今年2月にイチロー(マーリンズ)が来日した球団社長らと会食して話題に。