プレーバック日刊スポーツ! 過去の9月9日付紙面を振り返ります。2006年の4面(大阪版)では、期待の左腕としてロッテから移籍したオリックス・セラフィニが臍ヘルニアのため帰国したことをを報じています。

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 オリックスのダン・セラフィニ投手(32)が臍(さい)ヘルニアの手術を受けるため、8日、関西空港発米ダラス行きの便で帰国した。セラフィニの帰国は今季3度目で、今季中に再来日はしない見込みだ。

 臍ヘルニアはへそから腸が飛び出す病気で、赤ん坊に多いがスポーツ選手には珍しい。3日の練習でスクワットを行い、腹部に力を込めた際にへそから腸が突き出てきた。手術内容は、突き出た腸を中に押し込み、突き破られた腹壁を閉じるもので、全治には1カ月程かかる見込み。セラフィニは球団広報を通じ「今季は故障続きでチームに迷惑をかけ、不本意なシーズンでした。1日も早く万全のコンディションに戻すために、米国で手術を受けることとしました」とコメントした。

 しかし、本人以上に不本意なのは球団と現場だ。ロッテから移籍し、左腕エースと期待された推定年俸1億7250万円の助っ人は、0勝4敗の散々な成績でオリックス1年目を終えた。中村監督は「本人も不本意だろうが、こっちは想像を絶するシーズンだった」と失望感をにじませる。小林球団本部長補佐は「来季も戦力として期待? もちろんです」と語ったが、セラフィニは今季これまで、左肩痛などで2度帰国しており、契約2年目の来季の活躍にも疑問符がつきそうだ。

 

 ◆臍(さい)ヘルニア いわゆる「でべそ」のことで、胃や腸が皮膚、腹膜に包まれた形で飛び出している症状。臍(へそ)帯が腹腔内から体外に出る部分は臍輪と呼ばれ、臍帯の周囲を輪状に取り巻いて胃や腸が体外に出ないように抑えている。その臍輪が開き、胃や腸が外に出てしまったもの。治療法としては、手術で臍輪が開いたヘルニア門を閉じる。生後2週間から1カ月の赤ん坊に多く見られる。

※記録や年齢など表記は当時のものです