ソフトバンク松坂が、今日2日楽天戦(コボスタ宮城)で日本球界復帰後初の1軍マウンドに上がる。「ド緊張するでしょうけど、何とかしっかり投げられるようにしたい」。かつて怪物と呼ばれた男が、素直な胸の内を明かした。

 今季最終戦143試合目。チームは2位が確定し、消化試合ともいえるが、松坂にとっては大事な1、2イニングとなる。1日はヤフオクドームで90メートルの遠投をするなどして調整し、仙台へと移動した。昨年8月に右肩を手術。今季も右手の違和感や腰痛に悩まされた。「長かった。自分でも、もうないだろうと思っていた。単純にうれしかった」。昇格への最終先発テストだった9月18日ウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)が雨天中止。それでも「まだポストシーズンもある。来季のことには考えが向かない」と、諦めず状態を上げ続けた。

 工藤監督は「投げられなかった思いをボールに乗せてバッターにぶつけてくれたらいい」と話す。結果が良ければポストシーズンの戦力にもなる。西武時代の04年、プレーオフでリーグ戦2位通過から日本一へ駆け上った。「2位からということにも悪いイメージはない」。2位→Vの経験のないソフトバンクにとって、大きな力となる。【石橋隆雄】